会社の紹介

オークランド, New Zealand
Power In Numbersはオークランドを拠点とする政府公認のイミグレーションアドバイザーの会社です。スタッフの平均在住歴は20年以上!オークランド大学へ通い、卒業し、移住を経験したスタッフとニュージーランド生まれで育ったスタッフのみで運営を行っています。
現地の現役統計データアナリスト(BSc、PGDipSci、MSc)の分析もあり、常に数万に及ぶ移住者の実際のデータを基に、最新の情報と分析を提供しています。勘、経験、雰囲気だけでアドバイスは一切致しません。ブログでは統計だけではなく、日常のこと、仕事のことや、永住権に至るまでのことを書いています。

2017年2月7日火曜日

はっしーさんからお願いされた有給消化率の話

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ブラック企業で働いて「もうダメだ……」ってなってみたり、ニュージーランドへ逃げ出してきて大学行って就職したり、ブログが書籍化中だったり、インタビューされてみたり、最近多方面で人気者のはっしーさんからお願いがあったので今日はそれにこたえるござる★

同い年なのにしっかり自分のビジョンを持って活動しているはっしーさん。
見習わなきゃなぁと思っておりまする……

ブログはこちら

次回は就労時間の話★
これもはっしーさんからのお願いでござる。

統計学者の端くれとして頑張ります笑




そもそもの事の発端はニュージーランドの有給消化率がそれほど高くない、という記事
ホントにどうしょうもないことがだらだらと続くので、統計とかどうでもいいんだけど、という人は結論まで一気にジャンプして笑


目次
1. アンケート
2. レポート概要
3. 気にしなければいけないポイント
3-1. 気になるポイント1
3-2. 気になるポイント2
3-3. 気になるポイント3
4. 結論!


アンケート

このアンケート自体は Expedia’s Vacation Deprivation Report と言って、Expediaが市場調査会社のHarris Interactiveに委託し、2013年の8月20日から9月12日に18歳以上の人を対象に行われたアンケート。

サンプル数は24カ国から8535人で、データ収集後に国を表す数値になるように計算を加えてから算出された結果をまとめたものです。

レポート概要

調査によると、ニュージーランド人は平均的に1週間近くの有給未消化日数があるようです。

主な理由は、
  • 将来旅行とかで使うかもしれないから
  • 友達や家族となかなか合わせられない
52%のニュージーランド人が有給を奪われた(deprive)ー!と思っているそう。ちなみに世界の平均は62%。

このdepriveが分かりにくいんだよな……「はく奪された」とか「損失」したって言う感覚かな。会社の都合や忙しさや、他の人のプレッシャーで取れなかったんだよ……という悲壮感が漂う感じなのかね。



ちなみにそのdeprivedランキングトップに躍り出たのが、日本です。
しかもニュージーランド人は10人に1人程度に対し日本人の5人に1人は有給中も仕事に後ろ髪を引かれていると感じています笑

ちなみに自分もまとまった休暇はほとんど取らないし、有給を取っても仕事のことを考えていたりするので、全くニュージーランド化していません汗

気にしなければいけないポイント

気にしなければならない点は、このアンケートがExpediaがメインになっているということ。Expediaと言えば旅行関係専門ウェブサイトの会社なので、公的な機関ではありません。企業がベースになっているアンケートはバイアス(偏り)がある可能性があるので注意が必要なんです。とは言っても、今回はこれに関しては調べようがないので、公平な意見を得たという前提で話を進めます。

気になるポイント1

アンケート期間!3週間くらいだと少し短い気がするが、それ以上に気になるのが8月末から9月という時期。
日本では夏休み(ムード)期間ということもあり、休みを取れない人の鬱憤が強くなり「deprivedだー!」と必要以上に思っている可能性がある。それに対しNZは真冬。「ホリデーいらなくない?キリギリスじゃないんだから冬の間位働こうよ。」という感覚に結果が左右されている可能性あり。
と言うわけで日本とニュージーランドを比較していたレポートの趣旨がよくわからない。

気になるポイント2

オンラインアンケートの問題点は、Self Selectionタイプなので「主張がある人ほど回答する傾向がある」ということ。なんとも思ってない人は無視することが多いのです。
例えば、会社や社会への憤りがこのアンケートの回答率に影響を与えます。結果としてオンラインアンケートは偏りを生む傾向があるアンケート方法ということ。

気になるポイント3

最終的な加重平均(Weight)の計算方法がよくわからない。最終的に集まったデータを人口比率によって加重していくのだけれど、どの人口比率(Segi World Standardとか)を使ったのかわからないんだよね。

24カ国で8535人と言うと、単純計算で一カ国356人。国勢調査によると日本人の20歳から65歳までの人口は35,000,000人位なので、少し心もとない気がする。

サンプル数の計算にはPrecision methodやStatistical powerと言った方法があって状況によって使い分けるんだけど、Self Selectionタイプなので、サンプルの設定は残念ながらないだろうなぁ。

結論!

だらだらと余計なことを書いてきたけど、結論としては、とあるレポートではニュージーランド人の有給消化率は75%程度っぽい!ということです。

はっしーさんの疑問(思った以上に有給取ってないみたいだけど何でかなぁ)に対する答えは「もしかしたら一気に使うときが来るかもしれないから貯めておこうかなぁ」です!笑

自分が思う理由は、残業がそこまで多くない分ライフワークバランスが上手く取れているタイプが大多数で、与えられた有給の四週間(ウチのオフィスは五週間)全てを使う状況にいる人が少ないじゃないのかな?


というわけで、はっしーさん、全然回答出来ないという結果だよ。
もう少しちゃんとしたレポートが欲しかったりする笑


次回は就労時間の話!

じゃーねー!

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